加東市議会の令和3年第97回定例会が行われ、新型コロナウイルス対策や地域の課題について議論が交わされました。特に、新型コロナワクチン接種の進捗とそれを巡る市の取り組みが注目されました。
新型コロナワクチンの接種状況に関しては、加東市では医療従事者をはじめ高齢者への優先接種が進んでいます。副市長の岩根正氏は、「国からのワクチン供給が不透明なため、具体的な接種日程をお知らせできない状況」と説明しました。接種が開始される見込みは、2021年の連休明けであるとし、接種体制の整備は進んでいることを報告しました。
また、高齢者施設へのPCR検査についても厚生労働省からの指示に基づき、集中的な検査が行われることが決定されています。市としても感染予防のため、注意深く情報を発信する方針です。これにより新たなクラスター発生のリスクを抑えるための基盤が整えられます。
多胎妊娠に対する支援も議論され、計画の推進や相談窓口設置等が現在行われていることが確認されました。別府みどり議員は、妊娠期からの包括的なアプローチの必要性を指摘し、相談体制や育児支援の周知方法を拡充することが求められました。また、多子家庭へのさらなる経済的支援が必要との意見も上がりました。
公共交通に関しては、藤尾潔議員が地域公共交通網形成計画の重要性を訴え、定期券運賃やバスの運行便数の改善について質問し、北播磨総合医療センターと市立西脇病院へのアクセス改善が必要であるとの認識を示しました。市長安田正義氏は、市民のニーズに対して柔軟な対応を行う考えを示しました。
用水路や農業振興に関する質問も行われ、地域活性化の施策としての位置付けと今後進めていくべき方策について検討が必要であるとの意見が提出されました。特に農業の営みにおいては、安心して継続できるための支援が大切であり、加東市の発展にとっても不可欠であるとされました。
これらの議論を通じ、市の各政策が地域住民の意識を反映したものである必要があり、継続的な対話と柔軟な施策が求められています。市民にとって住みやすい環境を整え、より良い未来を築くために、議会としても注力していく姿勢も示されました。