令和5年3月3日、呉市議会は第1回定例会を開催し、包括外部監査契約の締結や過疎地域持続的発展計画の変更など、多数の重要議案について審議が行われた。特に注目を集めたのは、財産の無償譲渡や減額譲渡に関する議案であり、呉駅前西再開発ビルの整備に向けた重要な基盤が提案されている。
市議会では奥田和夫議員が質疑を行い、呉市が取得した旧そごう呉店跡地の無償譲渡について詳細を求めた。新原芳明市長の説明によると、無償譲渡の条件は再開発が進められるCゾーンにおいて解体を伴うもので、土地の鑑定評価や土地利用の見通しが求められた。特に、解体費用が約10億円と見込まれ、評価額との整合性が問題視されている。
また、議案に関して、テナントの誘致活動とその見通しについても懸念が示された。呉駅周辺の再開発において、実施事業者がくれみらいであることに加え、テナント誘致の進捗が大きな焦点となる。市の負担の見通しや、これまでの市民意向調査の結果を反映した施策が求められている。市民からは、過去の駅前再開発の失敗例も含め、安全性や費用対効果に関する厳しい意見が寄せられてきたところである。
子育て支援センターやアーバンデザインセンターの設置も議題となっており、これらの施設が呉市にどのような影響をもたらすかについての議論が続いている。また、民間企業の参画が期待される中、運営方法や費用負担についての詳細な協議が必要とされている。加えて、法人や大学とも連携し、地域のニーズに応じた設計が求められている。
議会は、再開発の成功に向けた慎重な議論を展開し、最終的な合意形成を目指す姿勢を示している。今後の計画がしっかりと進捗し、地域活性化につながることが市民から期待されている。