令和2年第5回呉市議会定例会が、令和2年9月29日に開催され、主に令和元年度の決算認定に関する審議が行われた。
議会では、病院事業や水道事業を含む21件の決算認定が提案され、賛成意見と反対意見が交わされた。まず、病院事業会計について、奥田和夫議員(日本共産党)は、「大型開発優先の事業が進められ、実際の市民生活への配慮が欠けている」と批判。一方で、田中みわ子議員(仁友会)は、「被災前の生活を取り戻す努力が必要」と述べ、賛成の意義を強調した。
また、議第111号の一般会計決算認定について、田中議員は「歳入が安定しつつあるが、雇用体制の整備が急務」とし、財政状況の改善を喜ぶ発言があった。これに対し、奥田議員は「福祉向上のための資源が疎かになっている」とし、「市民が求める政治と明らかに乖離している」と反発した。
さらに、各会派から新年度に向けた提案が提出された。小田晃士朗議員(誠志会)は、教育環境の整備を強調し、教室の空調設備を巡る進捗を述べた。一方、坂井昌行議員(公明党)は、「新型コロナ対策に万全を期す必要がある」とし、地域経済の活性化について言及した。これら全ての議案に対して賛成多数となり、決算は認定された。
市長である新原芳明氏は、閉会に際し市内の新型コロナウイルス感染状況を報告し、感染者数が増加している現状に対し、市民全員に基本的な感染防止策の徹底を呼びかけた。市民の生活を守るため、引き続き積極的な施策が求められる。