令和5年第3回呉市議会では、地方財政の充実や農業委員会の委員任命など多くの議案が可決される中、特に地方財政の充実・強化に関する意見書が大きな関心を集めた。
この意見書は、急速な少子高齢化や新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、自治体が直面する財政的な課題に対し、国に対する支援の強化を求める内容で構成されている。提案者の中原明夫議員は、「現実には地域公共サービスを担う人員は不足しており、急増する行政需要に政府の支援が十分でない」と述べ、特に労働力と資源不足に懸念を示した。
意見書では、地方公共団体の財政需要を的確に把握し、特に人件費の重要性を確保することを求めている。また、地方交付税の法定率引き上げや社会保障関連経費の拡充が急務であることも強調された。
一方、呉市農業委員会委員の任命に関しては、新原芳明市長より、任期満了に伴う後任についての提案があり、学識と経験豊かな候補者たちが適任であるとの信頼が示された。この議案も無事に可決された。
また、特殊勤務手当や税条例の改正は、新型コロナイの位置づけ変更に伴うものであり、議員たちはそれぞれ立場に応じた賛否を表明した。特に奥田和夫議員は反対の立場から、「今後も不安を抱える市民が多い中、十分な体制を整える必要がある」との意見を述べた。
最終的に、すべての議案が議決され、次の会期への準備が整った。新原市長は、災害復旧の進展も報告し、今後も持続可能な地域社会の構築に向けた意欲を示した。