令和3年第1回呉市議会定例会が開催された。
市長の新原芳明氏は、本議会で教育長の再任を提案した。
新原市長は、「寺本有伸氏は現教育長として活躍しており、引き続きその実力を評価し、任命をお願いしたい」と述べた。
これに対し、奥田和夫議員は共産党の立場から寺本氏の再任に反対を表明し、教育の政治的中立性が確保されていないとの見解を示し意見を述べた。
奥田議員は、「寺本氏は政治的介入を許し、教育委員会の独立性を侵した責任がある」と強調した。
続いての議題は呉市教育委員会委員の任命についてであった。
新原市長は新たに吉中由美子氏を提案し、「学識と経験が豊かで、適任と考える」と表明した。
議会は、全員一致で任命を決定した。
また、固定資産評価審査委員会委員の選任も行われ、現職の淺井公子氏と新任の武内盟子氏の選出が可決された。両名は適任と評価された。さらに、人権擁護委員の候補者推薦に関する諮議も行われ、議会は全体として賛成の議決を行った。
議第1号から議第21号に至る予算案の採択も審議された。
これに関し、奥田議員はコロナ対策の不備を指摘し、保健所の人員削減に問題があるとの懸念を表明した。また、防災及び放災後の復旧、そのための予算のあり方についても批判した。
一方、賛成討論では、北川一清議員が「新型コロナウイルスや人口減少に対応するため、健全な財政運営が重要」と述べ、予算の重要性を訴えた。他議員も新年度の計画に賛意を示し、今後の取り組みへの期待を表明した。
最終的に、全予算案は賛成多数で可決された。
市長は記者会見で「全ての議案に賛同いただき感謝の意を表する。市民の期待に応えられるよう努めてまいります」と述べ、今後の業務への意気込みを伝えた。
呉市議会は、議会の閉会をもって、今期の定例会を終了する。