令和6年第1回呉市議会が開催され、2024年度の予算案が議題となっている。新原市長は、予算に込めた思いとして「差し迫る諸課題に立ち向かい呉市の未来を切り拓く」とのテーマを掲げ、特に子育て世代への支援を強調した。
市長は、令和6年度の予算において地域産業振興や教育のデジタル化、農林水産業の活性化を取り上げた。具体的には、病児・病後児保育の整備を中央地区に2か所新設し、既存の保育所でも病児の預かりが可能になるという。また、呉市と広島大学が連携し進める「Town&Gown構想」によって、海洋文化都市くれを目指していると述べた。
一方で、若い世代の転出に対しては、若者が安心して暮らせる環境を整備するため、雇用創出や住環境の整備が不可欠とした。特に、呉市内の保育所のトイレ洋式化や、中学校給食の早期実施も重要な取り組みとして挙げられた。新年度からは、全ての子供へ向けた通園制度を導入し、就労要件を問わず子供を柔軟に預けられる制度が設けられる。
また、呉市では、ヤングケアラーへの支援も進められており、彼らの実態調査が行われている。支援が必要であると判明した子供たちには、必要なサポートが行われるよう動いている。
地域公共交通に関連して、運転手の確保は呉市も課題としており、今後はエコ通勤を促進するための施策が検討される。市内の公共交通の利便性を向上させる取り組みも進められており、運転手不足への対策が図られている。
地震対策に関しても言及され、去年の能登半島地震を教訓に、南海トラフ地震に備えたハード対策が進められている。同市は、老朽化した上下水道の耐震化を進める計画を立てており、国からの補助を得ながら、この対策を急ぐ必要性が述べられた。
議会では、これらの施策が呉市の明るい未来を照らし出すことが期待されており、市民が安心して生活できる環境を確保するために、積極的な対応が求められ続ける。