令和元年12月20日、呉市議会で開催された定例会では、多くの条例が議題に上り、地域行政の重要な決定がなされた。
特に注目を集めたのは、呉市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の制定についての議論である。日本共産党の奥田和夫議員は、臨時職員の急増に対する反省がないままの制度改正に懸念を示した。彼は、職員の給与が減少し、生活が困難になるこの変更に反対の意向を固め、その結果、質の高い公務が困難になると主張した。
また、議第112号における手数料条例の改正案も議論を喚起した。コンビニでのマイナンバーカード利用による手数料引き下げにより、収入が減少するとの懸念が浮上した。これについても、多くの議員がその財源確保の課題を指摘した。
次に議題となったのは、水道事業に関する条例の改正であり、下水道の料金改定や水道料金を平均9.5%引き上げる案が提案された。これに関連して発言した誠志会の小田晃士朗議員は、市民への負担を考慮し、正当な理由にもとづく料金改定が必要であると述べたが、値上げに関しては慎重な姿勢を示した。
消防本部及び消防署における設置条例の一部改正が提案され、音戸消防署と西消防署の統合が話題に上った。奥田議員は、統合による救急対応の劣化を警告し、こうした施策が市民に与える影響について疑問を呈した。
議会では、数多くの公の施設の指定管理者に関する議案が次々と可決されており、行政の効率化が進められていることを示している。しかし、実質的な運営コストや、質の低下が懸念され、委員会視点から反対意見も多かった。
新原芳明市長は、定例会閉会の挨拶の中で、議会の審議を評価し、優れた行政運営への継続的な努力を誓った。彼は、来年度の運営において得た意見を今後の方針に組み込むことを約束し、災害復旧や社会サービスの充実に努める意向を述べた。