令和4年の政治倫理審査会が2月17日に開催された。この会議では、呉市議会の谷本誠一議員に対する審査請求が主要な議題であり、審査の結果は議会の名誉や品位に大きく影響すると考えられている。
谷本議員に対しては、航空機内でのマスク着用を拒否し、機長の判断で搭乗を拒否されたことが問題視されている。議員が乗る飛行機は出発に1時間以上の遅延を引き起こし、搭乗した44名の乗客に多大な迷惑をかけたとの指摘がある。
議員が個人の信条に基づきマスクの着用を拒否した背景には、新型コロナウイルス対策に対する強い違和感があるようだ。谷本議員は、自身の行為が市民の疑惑を招くおそれがあるかどうかを否定し、自身は市民の代表として正義を貫いたと主張している。彼は「私は被害者である。航空会社の対応が人権を侵害した」とも述べており、自らの行動が不当な制約を受けた結果であるとし、その大義に基づいて行動を続ける意向を示した。
会議では、谷本議員に対する苦情の件数が増えていることも話題になった。2月14日現在、呉市役所には約1670件の苦情が寄せられ、その多くが議員辞職を求める内容であった。特に、議員の行動に対する市民の反発が強く、その一部は呉市に対して観光などを拒否する意向を示しているという。市民への信頼回復のため、議会は慎重な対応が求められている。
倫理審査会の委員たちは、今後の議論の中で谷本議員の行動が市民の信頼を損なうものであったかどうかを更に精査し、必要に応じた措置を講じる方針である。次回の審査会は2月22日に予定されており、今回の審査結果がどのような結論を招くのかが注目される。