令和6年3月21日、呉市議会の定例会が開催され、令和6年度の予算案が審議された。
議長の中田光政氏は開会に際し、地域で発生した能登半島地震による被害者に哀悼の意を表し、議会を進める旨を述べた。
市長の新原芳明氏が取りまとめた令和6年度予算は、一般会計が1,089億6,000万円、特別会計が520億6,226万円、企業会計が280億5,245万円となり、総計で1,890億7,471万円となった。
これにより、一般会計は前年に比べ2.5%の増加、一方で特別会計は6.0%の減少が見込まれている。
一般会計の主な理由としては、空調整備に関する予算の減少や、社会福祉施設の整備への助成の増加が挙げられている。特に、大和ミュージアムの大規模リニューアルが48.8億円を超える予算を確保し、注目を集めている。
新原市長は「この予算は、子育て世代や地域住民を支えるためのものであり、将来を見据えた投資である」とコメント。加えて、子ども医療費助成の平年度化や、病児・病後児対応型施設の増設も進められることになった。
また、福祉保健分野では、地域福祉の強化や孤独・孤立の問題への対策が進められる予定だ。特に80代親の問題や介護・育児のダブルケアが指摘され、行政一体での対応が求められている。
この他にも、都市基盤整備の観点から、交通ターミナル整備や住宅支援も重要事項となり、呉市全体の活性化につなげる狙いがある。
議会は、今後もこれらの議案に対して十分な審議を行い、住民ニーズに応える具体的な施策の実施を目指していく方針である。
この定例会においては、その他66件の議案が提出され、急速に変動する地域課題に取り組む姿勢が強調された。