令和3年第4回呉市議会が、12月17日午前に開議された。
会議では、予算関連や新たな施策など多くの議案が審議された。特に注目を集めたのは、呉市公平委員会委員の選任に関する議案である。
市長の新原芳明氏は、上東広海氏を推薦し、その適任性を強調した。「上東氏の資質は非常に優れているため、議会の同意をお願いしたい」と述べた。また、議会は特段の異議なく、同氏を同意で選任することに決定した。
次に、契約締結に関する多くの議案が一括で審議され、可決された。その中には、令和3年度呉市一般会計補正予算に関するものも含まれていた。これに対して、山上文恵議員は、特に職員数削減によるサービス低下を懸念し、反対の立場を表明した。
山上議員は「職員の削減は、市民サービスの質を悪化させる恐れがある。災害時には、十分な人員が必要だ」と強調した。この意見に対し、さらに反対討論を行った他の議員もおり、地域の職員不足が課題として浮き彫りになった。
また、議会では契約締結の議案が進んだが、いくつかの公共施設の指定管理者については、十分な議論がなされなかったとの指摘もあった。奥田和夫議員は「過去の運営状況を考慮しない危険な選択だ」と発言し、慎重な姿勢を求めた。
さらに、請願の審議も行われ、「保険適用範囲の拡大、患者窓口負担軽減等に関する請願」が反対多数で不採択となった。これを受けて、梶山政孝議員は、「保険適用範囲の拡大は、健康保険料の増加につながる」と請願の抑制を訴えた。
最後に、新原市長は閉会の挨拶において、新型コロナウイルスへの対応や市民の安全・安心確保の必要性について言及し、12月20日までの会期を短縮して閉会する意向を表明した。市長は、「今年も様々な課題があったが、全力で取り組み、呉市の発展に寄与する」と締めくくった。