令和5年第1回呉市議会で、予算総体質問が行われた。焦点は、子育て支援施策や国の安保政策への対応であった。
特に、子育て支援に関する質問が数多く取り上げられた。奥田和夫議員が、呉市の子育て支援予算が明石市に比べて高いが、出生率に反映されていないことを指摘した。これに対し、子育て担当部長の是貞聡志氏は、呉市の望ましい施策として医療費助成制度の拡充を挙げ、アンケート調査を通じて家庭のニーズを把握する必要性を強調した。
次に、阿賀マリノポリス事業についても議論が交わされた。実行可能な企業立地を推進し、雇用創出につなげることが期待されているが、費用対効果や市民負担が議論の的となった。谷本誠一議員は、著しいコスト増加を問題視し、慎重な財政運営が必要であると主張した。
さらに、新型コロナウイルスの感染症法改正に伴うワクチン接種予算について、接種が必須かどうかという点でも意見が分かれた。福祉保健部長の濱田純典氏は、今後の政策に関する具体的な方針は未定であるとしたが、専門家に基づいた判断が求められると述べた。
一方で、福祉保健分野では、包括的な支援体制の構築が模索されている。子ども家庭センターにおける各種支援策が増加する中で、相談員の専門性向上が重要とされている。山上文恵議員は、子育て家庭への寄り添いが求められていると指摘し、悩める市民に手を差し伸べる姿勢が求められていると語った。
総じて、呉市議会では、子育てや福祉政策、国防に至る多様な課題について活発な議論が行われた。限られた予算の中で、どれだけ効果的に施策を推進できるかが今後の課題となる。議員たちは、市民の視点を重視しつつ、持続可能な社会体制を確立することに尽力する意向を示している。