桐生市議会の令和3年3月第1回定例会が18日に開催され、議員からは多様なテーマに関する質問が寄せられた。特に、コロナ禍において苦しんでいる学生の支援や、高齢者向けワクチン接種の助成、さらに地域の自然災害への備えが重要な課題として浮かび上がった。
まず、コロナ禍の影響で苦しむ学生の支援に関する議論が行われた。日本共産党の渡辺恒議員は、コロナの影響により多くの学生がアルバイト収入を失い、生活が困窮している実態を指摘した。彼は市の取り組みとして、まんぷくプロジェクト実行委員会が行った食料支援活動を紹介し、さらなる支援を求めた。教育部長の西場守氏は、学生生活の実態調査を実施していないものの、奨学資金の申請理由がアルバイト収入の減少であることが多いことを認めていると述べた。
次に、高齢者向けワクチン接種の助成についても質疑が行われ、丹羽孝志議員は帯状疱疹のワクチン接種への助成を求めた。現在の高齢者向けのワクチンはインフルエンザと肺炎球菌ワクチンのみであり、助成対象の拡大が課題とされている。部長は、国の動向を注視しながら、ワクチン接種の重要性を理解し、助成制度の導入を前向きに検討する姿勢を示した。
また、地域の自然災害に対する備えとして、避難所の案内板が不十分だとの指摘もあった。辻正男議員は、避難所の役割や適応する災害の種類を明示する必要があると訴え、標準化された図記号の導入を求めたことに対して、部局は今後の強化を約束した。
デジタルトランスフォーメーション(DX)推進についても議論が及び、市民生活部はデジタル化を意識した行政サービスの向上に取り組む意向を示した。国の施策に連動し、業務の効率化を図る目標が明示され、桐生市独自の施策に対しても期待が寄せられる。
このように、多くの議員からの質問を通じて、桐生市は学生支援、高齢者サポート、災害対応、そしてデジタル化といった重要問題に焦点をあてつつ、住みやすい地域づくりを目指していることが強調された。今後も市は市民の期待に応える形で、これらの課題に真摯に向き合っていく必要がある。