令和6年6月27日、多治見市議会において第3回定例会が開かれ、様々な議案が審議された。
多くの議案が議決を経て、可決された中でも、特に「議第55号 多治見市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する条例の一部を改正すること」が注目される。この改正は、マイナンバーを活用することで福祉医療費の受給資格を確認しやすくするためのものである。提案した奥村孝宏総務常任委員長は「従来の手続きの簡略化と利便性向上を図るもの」と強調した。
対する意見もあり、例えば、日本共産党を代表して三輪寿子氏が反対討論を行った。この討論では、福祉医療費の助成におけるマイナ番号の利用が当市住民の多くに受け入れられておらず、書類提出が依然必要であると指摘した。全国的にマイナ番号の利用率が低迷する中で、政府が取得を促進していることに疑問符をつけた。
また、議第60号、令和6年度多治見市一般会計補正予算の審議も行われ、こちらは約2億6,000万円の予算が新型コロナワクチン接種などに充てられることが決定した。この補正予算では、例えば接種事業委託費として約2億3,000万円が使用され、高齢者へのワクチン接種支援が期待される。
議会では、議第56号の多治見市福祉医療費の助成条例や、議第71号の岐阜県後期高齢者医療広域連合規約の変更も審議され、すべて原案通り可決された。さらに、地域における「こども誰でも通園制度」の制度拡充を求める意見書(発議第1号)や、ガザ地区の即時停戦を求める意見書(発議第2号)も提出され、これらも無事に可決される流れとなっている。
これらの議案の審議を通じて、多治見市議会は地域住民の福祉向上に努める姿勢を示している。特に、マイナンバー利用に関する議論は、今後の行政手続きの在り方に影響を与えることが期待される。また、各委員長による報告も盛況で、議会運営においても円滑に議事が進められている様子が伺われた。