令和4年6月16日、多治見市で第3回定例会が開催された。
市政一般質問の中で特に注目を集めたのは、仙石三喜男議員による「森林環境税及び森林環境譲与税と林業で移住!三郷地区の魅力について」の質疑である。まず、仙石氏は新卒者による林業での移住について触れ、森林環境税の導入が地域に与える影響に期待を寄せた。彼は、「近年、多治見市では新しく林業に従事する若者が増えており、地域の活性化につながるだろう」と述べ、移住者への支援策として、森林環境譲与税の活用を提案した。
また、他の議員からは公共施設の適正配置や、地域活性化のための新しい取り組みが議論の焦点に上がった。特に、地域の特色を生かしたまちづくりの重要性が強調された。ある議員は、「公共施設の整備だけではなく、地域の文化や歴史を反映させた魅力的な空間作りを進めるべきだ」と主張した。これに対し、市長の古川雅典氏は、「公共施設が地域に根ざす形で運営されることが重要だ」と応じた。
さらに、田中翔子氏の質問に対し、市が進める『移住犬住(いじゅう・けんじゅう)』の取り組みについての話題もあがった。市長は、愛犬家の移住を促すための施策を進めていることを明かし、「犬と一緒に快適に過ごせる環境づくりを通じて、多治見の魅力を発信したい」と述べた。
多治見市の人口問題についても議論された。吉田企貴氏は、「人口のダムとしての多治見市の役割を果たすために、地政学的観点からの政策立案が必要だ」と提言した。市は愛知県からの流出を抑える施策を講じることが期待されており、その中で新たなビジョンの構築が求められている。
古川市長は、人口減少や経済的課題に対して、「持続可能な市政運営」をテーマにした第8次総合計画を策定したいと述べた。しかし、今後の具体的な対策については、より詳細な検討が必要とされている。
このように、さまざまな議題が取り上げられた定例会からは、市民との対話を通じて、多治見市が抱える課題の克服を目指す姿勢が見えた。