多治見市議会は令和2年3月17日に第一回定例会を開いた。議題には空き家対策や新型コロナウイルス対策、さらに多治見市の水道行政やSDGs(持続可能な開発目標)に関する質問が多く取り上げられた。
最初の質問は、奥村孝宏議員が提起した多治見市の空き家対策である。彼は自らの住む南姫小学校区の空き家問題に触れ、地域町内会のデータを活用することで空き家情報を整理できるとの提案を行った。奥村議員は「多治見市空き家等対策計画(案)」について言及し、具体的なデータ収集方法や空き家の現状を掘り下げた。また、空き家バンクの運用実績を質問し、効果的な空き家対策を求めた。これに対して、都市計画部長の細野道仲氏は、過去の住宅・土地統計調査に基づき空き家数や空き家率を報告した。
さらに、奥村議員は新型コロナウイルス対策についても質問を行った。特に、学校現場での消毒液の配備やマスクの支給状況について確認した。市は消毒液を各教室へ配置済みで、今後も状況に応じた支援を続ける考えを示した。
また、渡部昇議員は多治見市のSDGs推進に関して質問した。彼は地域の魅力を再発見し、観光資源として文化遺産を生かすことが重要であると強調した。特に、喜多町西遺跡公園や喜多緑地の利用拡大について具体的な提案を行い、観光資源としての活用を促進する必要性を訴えた。市長は文化財マップの作成を通じ、地域の魅力を伝え、観光資源としての価値を高めていく意向を示した。
さらに、サステナビリティに向けた施策についても議論が行われた。例えば、楽器寄附ふるさと納税の提案がなされ、教育への関心を高めるための道筋を示された。教育委員会からは、現在の課題認識を踏まえ、各校の意見を基に、より良い教育環境を整備していく必要があるとの考えが示されている。
議会では、新型コロナウイルス感染症に対する具体的な対策、影響を受けた市民への助成や支援策についても活発な議論がされ、その方向性についての理解も深まった。市長は、これらの問題に対して具体的な施策を進め、地域の安全と健康を守っていく姿勢を明言した。
この会議は、多治見市が抱える多様な問題に対し、透明性ある議論が行われ、各議員の熱意と市民の期待が交わる場となった。今後の施策にどう反映されるか、地域の発展に期待が寄せられている。