令和3年12月13日、多治見市議会は第5回定例会を開催した。議会では、市政一般質問が行われ、多岐にわたるテーマについて議員からの提案がなされた。
最も注目を集めたのは、いじめ問題についての質問である。若尾敏之議員は、「今一度、見直しを」と強く訴え、市内のいじめの実態や学習端末を用いたトラブルに焦点を当てた。調査によると、いじめの現状に関しては、令和2年度に小学校で581件、中学校で121件が認知されていると副教育長の高橋光弘氏が答えた。さらに、GIGAスクール構想による学習端末が、いじめ問題に結びついている事例も報告した。
次に若尾議員は、土岐川豊岡地区の堤防整備事業について質問した。市長の古川雅典氏は、国土交通省との連携を強め、総事業費75億円で進めることを説明し、市民の安全を確保するための取り組みを約束した。地域住民への影響を考慮し、工事の進捗状況についても透明性を持った情報提供が求められた。
また、議題に挙がった発達支援センターの統合整備方針についても議論された。若林正人議員がこの方針案に対して詳しく質問し、施設の利用方法や設計に関する意見が交わされた。市は、施設の利用が幅広い世代に開かれることを強調し、統合に向けた取り組みの重要性を説明した。
避難行動要支援者への支援強化についても問われた。渡部昇議員は、災害時における支援の具体策を提案し、庁内での歩行者を中心とした安全対策が重要であるとの認識を示した。この問題に関し、市長は積極的な取り組みを行う意向を表明した。
さらに、蔓延する鳥獣被害に対する対策も重要視された。奥村孝宏議員は、特にイノシシによる農作物への被害を取り上げ、市内での捕獲の実態や対応について質問した。市側より、捕獲数や管理体制についての詳細が報告された。
最後に、吉田企貴議員は、人口減少社会における多治見市の政策の方向性について提言し、特に行政の政策の明確さや実効性が求められると訴えた。市長は、人口減少を真摯に受け止め、今後の計画に反映させる意向を示した。