令和3年12月14日に開催された多治見市の定例会では、令和3年度一般会計補正予算(第8号)や市政一般質問が議題に上がり、議論が交わされた。
今回の補正予算は、特に子育て世帯への臨時特別給付金が大きな焦点となった。市長の古川雅典氏は、児童一人につき5万円を年内に振り込むことを前提にした給付について説明した。残りの5万円の給付方法については、国からの指針を厳しく見極める必要があると述べた。また、総務部長の富田明憲氏が補正予算の詳細を発表し、歳入歳出の総額に8億1,153万円を追加する内容が盛り込まれていると説明した。
市議会では、補正予算に対して質疑応答が行われた。7番の佐藤信行議員は、現金給付の方向性を支持しながらも、制度に対する質疑を提起した。「この制度は国民を子どもの有無や所得制限で分断するものだ」と切り込む意見もあり、給付の公平性に対する懸念が表明された。これに対し市長は、「政治は市民の声を受け止める必要がある」と反論しつつ、現金支給の重要性を強調した。
議案の制定に際して、議員たちは今後の国の動向を注視することとし、議会軽視についても注意が払われた。市民健康部長の澤田誠代氏も給付の詳細について発表し、多岐にわたる観点から質疑が行われた。
第3の議題では、市政に関する一般質問が始まった。玉置真一議員が多治見市の観光資源を再発見する観点で質疑を行い、岐阜県観光連盟と連携した体験ツアーの実績について語った。また、アニメ「やくならマグカップも」の影響で多治見市の魅力が全国に広がっている点も触れた。市長はアニメーションを利用した観光振興の重要性を認識し、今後も積極的に活用する意向を示した。
さらに、ひきこもり問題についても触れられた。井上あけみ議員は、ひきこもりに対する支援体制の充実を求めており、市長は関係機関との連携や生活困窮者自立支援事業での取り組みが進むべきとの見解を示した。
このように、今回の議会では補正予算や市政一般質問において多角的な視点から様々な議論が行われた。市のリーダーシップを通じて地域課題の解決を図る姿勢が再確認された。議会終了後、参加議員たちは実昇した鄺口や店舗の視察なども行い、地域の生の現状を肌で感じ取る貴重な機会となった。