令和5年第5回中津川市議会定例会が開かれ、重要な議案が多数交わされる中、特別に注目を集めたのは個人番号利用に関する条例改正である。これに対し、田中愛子議員が強い反対姿勢を示した。
この改正の目的は、行政手続において個人番号を効果的に利用し、効率化を図ることにある。田中議員は「プライバシー侵害のリスクが高い」と懸念を表明し、「今回の改正は国民の個人情報を無視した拡大解釈であり、深刻な問題だ」と助言した。特に、マイナンバーカードが健康保険証に一本化される動きに関して「市民からの信頼を得られない」と強調した。
続いて、他の議案についても議論が交わされた。特に職員給与に関する改正については、多くの議員が人手不足の解消や待遇改善の必要性を指摘しつつも、特別職の報酬増については慎重な意見が目立った。田中議員は「市民が困窮している中で、議員の報酬引き上げは不適切である」との見解を示し、賛同を呼びかけた。
また、福祉医療費助成に関する条例改正も提案され、子供の医療費助成年齢を引き上げることに関し、全会一致で可決された。これは、少子化対策の一環として重要な施策の一つと位置づけられ、高く評価された。
補正予算案では、物価高騰対策のための生活応援商品券の配付が含まれており、特に注目を集めた。市長は「市民生活を支えるために必須の措置」と述べ、予算案の迅速な執行を約束した。
議会運営委員会の報告もあり、不適切な言動に対する議会の対応が話題に上る中、議会役職変更の方針が示された。各議員の意識向上を促す内容となっており、具体的な是正策を求める意見も寄せられた。
市民との対話の重要性が強調される中、議会として今後も透明性のある運営を模索することが求められている。最後に、市長は中津川市の未来を見据えた取り組みを続けていく考えを示し、しっかりとした市政発展への意欲を表明した。