令和5年第5回中津川市議会では、今後の市政における重要な懸案について多くの意見が交わされた。特に、放課後児童クラブや病児保育、小中学校の給食費無償化など、子育て支援に関する質問が目立った。
田中愛子議員は、放課後児童クラブの設備や設置状況への懸念を表明した。彼女は、「現在40名を超えて保育している学童保育所がある」との指摘に対し、早川筒司市民福祉部長は、「東学童第一保育所など4つの施設で、人数が定員を超えている」と明かした。また、増加する児童の受け皿として、地域の新たな学童保育所の開設計画を示したが、依然として不足を感じる現状が浮かび上がった。
次に、宮嶋寿明議員は国土調査事業について質問を行った。彼は、「登記簿に記載された土地の面積が正確でない現状を改善するためには、地籍調査の進捗が重要」と訴え、進捗率がわずか44.50%である現状に懸念を示した。早川泰典建設部長は、「進捗が遅れている理由には、土地の所有者が見つからないという課題がある」とし、対策が必要であることを指摘した。
さらに、糸魚川伸一議員はアドバンス・ケア・プランニングについて、「この取り組みの認知度が低く、普及啓発が急務である」と述べた。市民福祉部長は、「今後も周知を進めていく」と回答し、地域における人生会議の重要性を強調した。
また、議会では坂下診療所の民営化についても言及され、長谷川尚輝病院事業部次長は、「医療法人との交渉を進めているが、現時点で譲渡日程は不透明である」と報告した。この点に関しては市長も情報公開の重要性を認識している様子が伺えた。
議会は、地域の農業振興や資源循環型社会の構築についても取り組んでおり、丹羽史久農林部長からは、「地元の農業は地域の安定に貢献している」との発言があった。農業教育の推進や各地域における農業関係者の役割分担についても話し合われたが、今後の支援施策やコミュニティの中での役割確認が求められる。
これらの議論は、今後も中津川市がまた豊かな地域社会を形成するために必要な施策であり、議員たちが市民の声を反映させるために日々奮闘していることを示している。