令和2年第1回中津川市議会定例会が開催され、合計38件の市長提出議案と1件の陳情が審議された。特に、市長の青山節児氏は令和元年度の振り返りとともに、市政に臨む所信を表明し、持続可能なまちづくりの重要性を強調した。
青山市長は、これまでの2期8年の間に進められた合併後の一体感の醸成や急速に進む人口減少への対応策について述べ、実績として新汚泥処理センターの稼働やリニア中央新幹線関連の事業を挙げた。これを受け、今後4年間の施策として、リニアを活かしたまちづくり、安全・安心のまちづくり、次代を担う人づくりの3つの柱に沿った実施を計画している。
その中で、リニアの波及効果の地域への広がりを図り、交通、観光、産業振興が相互連携できる体制を整える方針を示した。特に青山市長は、「リニアを活用したまちづくり」において、地域住民の生活環境を守りながら、将来の発展を見越したインフラ整備に注力する意向を表明した。
議会における各委員会の報告としては、公共交通の現状と課題が焦点となる。総務企画委員会では、公共交通の現状調査が行われ、利用者の減少が深刻な問題となっていることが明らかにされた。具体的には、運転手不足や利用者減少に伴う対策が求められており、地域住民の意見を基にした交通網維持が強調された。特に、観光の視点から地方創生を図るためには、公共交通の利便性向上が重要であるとした。
文教民生委員会の報告では、子育て支援の現状と課題について調査が行われ、少子化による会員減少や老朽化した施設の改修等が課題として浮上した。同委員会は、市民への周知や関係者との連携を強化し、安心して子育てができる環境を整備する方向で活動を進めていくべきとした。産業建設委員会では、治山事業の進捗状況や治山対策の改善が報告された。
議会改革特別委員会からは、議会視察の必要性や住民参加の重要性が訴えられ、議会の透明性向上に寄与する意義が強調された。さらに、陳情となった「認知症高齢者等の事故に対する個人賠償責任保険の新しい事業実施を求める陳情」が支持され、今後の検討へつなげる意義があるとされた。
最後に、市長の提案として、令和2年度予算案が紹介され、持続可能で活気あふれる中津川市の実現に向けた施策の総額が384億3,200万円にのぼることも併せて報じられ、議会での活発な討論が期待される。