令和5年第8回志免町議会定例会が行われ、町の重要課題について複数の議員が質問を展開した。
特に注目を集めたのは、牛房 良嗣議員による出生数の減少に関する質問である。牛房議員は、平成22年の630人から令和4年の363人へと著しく減少した出生数を憂慮し、「転入増や外国人増にもかかわらず出生数が減少している。この背景には何があるのか」と問いかけた。また、出産奨励金についても「思い切った予算を」と提案した。これに対して、世利良末町長は、「子育てにはお金がかかるのは承知しており、しっかりと対策を講じたい」と強調した。
次に、いじめ・不登校の実態について話が及んだ。牛房議員は、過去数年間のいじめ認知件数や不登校児童数の推移について分析し、その数の減少が緊急の課題であると述べた。教育長・金子眞恵氏は「いじめの認知件数は増加傾向にあり、教員の取り組みが必要」と語り、いじめ防止に向けた教育の重要性を訴えた。
さらに、藤瀬 康司議員は教育環境向上について質問した。特に、地域の教育目標に基づく体験型教育の推進を提案し、町内の中学生におけるバス通学の支援策を求めた。学校教育課長・池松貴恵氏は「中学生のバス通学を促進するため、無料定期券の交付を検討したい」と述べた。
また、高齢者の運転免許返納に関しても議論が交わされた。藤瀬議員は、運転免許返納者に対する独自支援策について具体的提案を行ったが、世利町長は慎重な姿勢を示した。高齢者の皆様が安心して医療サービスなどを利用できるよう、環境整備をしていく必要があるとの見解を示した。
そして、安河内 祐子議員はコミュニティの活性化について質問した。特に、町民運動会の中止について様々な意見が示され、「コミュニティの活性化における町民運動会は最大のイベント」と力説した。町長は「地域の人とのつながりを深めるイベントとして運動会は意義がある」と同意しつつ、運営の難しさも認識している様子であった。
総じて、今回の議会では出生数の減少、いじめ・不登校の実態、高齢者運転免許返納、コミュニティの重要性など、志免町の直面している多岐にわたる問題について活発な議論が展開され、今後の施策に対する期待の高まりが感じられた。町民の声を反映した施策への取り組みが求められている。