令和2年第9回志免町議会定例会では、各議員から多文化共生や地域の魅力向上など多岐にわたる提案や質問がなされた。
特に、岩下多絵議員は「多文化共生のまちづくりについて」質問し、志免町における外国人人口の現状やその高齢化に伴う福祉サービスの必要性について町長や教育長に尋ねた。現状、志免町の外国人人口は624人で、中国、韓国、ベトナムの順に多いという。町長の世利良末氏は、言葉の通じない外国人への対応強化や相談窓口設置の必要性を強調した。具体的には、福岡県の外国人相談支援センターを活用し、多言語対応を進めている。
また、藤瀬康司議員は「魅力ある町づくりについて」問及し、観光戦略の強化に関する提案を行った。志免町には多くの観光資源があり、その中で特に古墳群の整備やPRが重要視されており、地域の人々がターゲットとして意識されるべきと述べた。町長からは、観光地としての認知を高めるための継続的な運動が必要との意見が示された。志免町の魅力を発信する新たな活動が期待される。
一方、環境問題について、藤瀬議員が詳細な質問を行い、ごみの分別に関して手続きや事業者用のごみ袋価格の高さについて指摘した。町長は、分別が必要な背景を説明し、住民への啓発が重要であることを再確認した。
防災対応についても議論がなされ、小森弘美議員が自主防災組織の育成や防災リーダーの女性参画推進について質問を投げかけた。町長は、地域の弱者に配慮した対応の促進を約束し、さまざまな視点を取り入れた防災政策を目指す方針を示した。
心の健康支援については、増加するメンタルヘルス需要に応えるため、町内での相談窓口や支援体制が強調されたが、具体的な相談者数や有効な支援の現状については情報の不足が指摘された。
教育問題においては、末藤省三議員が特別支援学級に関する設置基準や現在の状況について疑問を呈し、町と国との繋がりを強調したため、教育長は町の特別支援制度の現状を説明した。