令和4年第8回志免町議会定例会が開催された。議題として「子ども出生数の減少と増加策について」、「防犯について」、「教育改革について」、「旧志免鉱業所竪坑櫓に関連する諸課題について」、「行財政改革と地域活性の合併について」が取り上げられた。
牛房良嗣議員は、子ども出生数の減少を受け、出生を促進するための包括的な施策を提案した。具体的には早婚奨励、出産費用全額無料化や祝金の支給、保育料の無料化、そして家賃支援を挙げた。さらに、ひとり親支援や学習支援の強化の必要性も訴えた。これに対し、世利町長は出生数の減少が全国的な傾向であり、志免町も緩やかな減少傾向にあると認識し、多角的な対策の重要性を強調した。
防犯に関しては、丸山卓嗣議員が町の犯罪現状と取組みについて質問した。犯罪の形態が多様化・凶悪化する中で、防犯カメラの設置の必要性が再提起された。町長は、犯罪抑止効果と早期解決への期待を表しながら、設置に必要なガイドラインの整備や費用面の負担を考慮していると述べた。
教育改革の視点からは、コミュニティスクールの活用や小中一貫教育の実現を目指していく姿勢が示された。教育の現場から様々な意見を聴取し、教育環境の向上に向けた取組みを進めるべきだとの見解が示された。地域の教育資源の拡充が町の利点として位置付けられることが期待されている。
さらに古庄信一郎議員は、旧志免鉱業所竪坑櫓の価値を引き出すための活動や歴史的な意義を強調し、住民活動と地域の協力が不可欠であるとの立場を示した。地方文化や歴史を重視する町の姿勢を求める声が上がった。この竪坑櫓は国の重要文化財であり、町の資源としての活用が必要だとした。
最後に町長は、合併問題についても言及し、現状維持が衰退を招くと危機感を示した。地域間の連携と新たな都市づくりへの柔軟な発想が必要であると述べた。所管課とも連携し、地域づくりに向けた具体的な戦略を構築していく方針が見えた。