令和5年9月22日、那珂川市議会では定例会が開催された。この日の議事では、一般質問が行われ、特に香害と地域猫活動に関する問題が提起された。香害とは、香りの強い製品による健康被害を指し、その影響を受ける市民が増えていることが指摘された。一方、地域猫活動では、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術を支援する地域の取り組みが進められていることが強調された。
特に、稲生茉莉子議員は香害の影響を受ける子供たちの健康を守る必要性を訴えた。彼女は、「香害が子供たちに与える影響は深刻であり、特に強い香りの柔軟剤が原因で体調不良を訴える子供もいる」と述べた。加えて、公共施設での香害に関する啓発を強化する必要があるとし、「周囲の理解が得られなければ、香害を抱える人々が孤立してしまう」と指摘した。
また、地域猫活動においては、ボランティア団体と市の連携が成果を上げている点でも評価されたが、地域における活動の認知度の温度差が課題であるとされた。市は、不妊・去勢手術を促進する施策を実施しており、その効果が出始めているという意見もあったが、ボランティアの活動が地域の理解を得られないケースも多いという意見が寄せられた。
稲生議員は、具体的には「猫のトイレ設置に対する助成制度が必要だ」とも強調した。このトイレ設置が、猫の糞尿問題を防ぐための適切な手段であると述べ、地域猫活動の理解を広めるために市が積極的に支援する必要があると主張した。
さらに、多頭飼育問題についても言及され、特に高齢者や単身世帯におけるペットの飼育のリスクが強調された。市は、ボランティアとの協力を通じて、飼い主の健康状態を把握し適切な支援を行う必要があると言及された。
この日の議論を通じて、香害や地域猫活動に対する理解が進む一方で、さらなる市民への情報提供や啓発が求められていることが浮き彫りになった。今後、那珂川市が市民の健康と安心な共生社会を実現するための取り組みを強化していくことが期待されている。
これを受けて、議会では議会運営委員及び議会広報特別委員の選任が行われ、真鍋昭洋議員が議会運営委員、松尾正貴議員が議会広報特別委員に選ばれた。今後の那珂川市の取り組みが注目される。