令和4年12月9日の那珂川市議会では、一般質問が行われ、多岐にわたるテーマが議論された。特に国史跡安徳台遺跡の保存活用計画に対する関心が高まっており、議員たちが今後の方針や進捗状況について問う場面が数多くあった。
安徳台遺跡の保存活用計画は、地権者や地域活動団体の協力によって策定され、地域の歴史的資源を活かしたまちづくりが目指されている。この計画には、史跡公園整備や管理体制の強化などが盛り込まれており、地域に寄り添う姿勢が伺える。しかし、じっくりとした進行が求められる中で、迅速な対応や地元との連携が不足しているとの声も上がっている。
高齢化が進む地権者たちの関与が薄れていく中、地域の意見を反映させるためには積極的なコミュニケーションが不可欠である。議員たちは、計画の実現には、現在の議論を踏まえ、実行可能なスピード感が求められていると主張した。特に、安徳台遺跡の周辺に位置する安徳大塚古墳や裂田溝も含めた一体的な保全が重要視されている。
加えて、図書館の雑誌スポンサー制度の導入についても議論が交わされ、地域の企業との協力が文化資源の充実に寄与できる可能性が示されている。近隣の春日市や大野城市が成功を収めていることを背景に、那珂川市でも同様の制度導入が優遇される方向での検討が進められる見通しである。
全体として、那珂川市の文化財及び教育関連施策には、大きな期待が寄せられている。地元住民と密接に連携しながら、観光資源の積極的な活用を次世代に引き継いでいくための基盤が築かれることが求められる。特に、計画の進捗状況や具体的な施策の実施にあたっては、より透明性の高い運営が望まれると同時に、市民への情報発信の強化が政策の成功につながるだろう。