令和2年9月16日に行われた那珂川市議会定例会では、重要なテーマが多数取り上げられた。特に、新型コロナウイルス感染症の影響が市民の健康や生活に及ぼす影響についての議論が目立った。
議員からは、新型コロナウイルス感染症の影響による高齢者の健康寿命の延伸が求められた。春田智明議員は、運動不足により高齢者が心身に悪影響を及ぼす現状を指摘し、その対策について市の考えを問うた。健康福祉部長の中村一道氏は、高齢者の身体機能や認知機能の低下が見られることから、団体活動の支援や個別訪問などで状況を把握していると述べた。
さらに、高齢者に対する介護度の変化についても言及された。春田議員は要介護度が急に悪化する事例が多くなっていることを示し、コロナ禍における生活機能の低下についての現状を問いかけた。中村部長は、介護度変更申請件数が昨年より51%増加していることを報告した。
次に行われたのは、多胎育児支援に関する議論であった。平山ひとみ議員は、特に多胎児家庭に対する支援が不十分であることを指摘した。国が新設した多胎妊産婦に対する支援について、実際の支援内容や福岡県の取り組みにも触れ、那珂川市としての独自施策の必要性を訴えた。
部長は、現在多胎育児支援に特化した制度はないとしながらも、国の支援制度を調査し、実施可能性を検討すると応じた。平山議員は、病児保育施設の利用状況についても触れ、増設の必要性を強調したものの、現状の利用者数が少なかったことから、増設の考えはないとされ、他市の病児保育への情報提供を求めた。
加えて、国保減免制度の拡充についても話し合われた。新型コロナウイルス感染症の影響を受到している世帯に対する支援が問われ、江頭市民生活部長は、制度の周知状況や利用者数について説明した。周知活動が十分に行われていない可能性があり、さらなる広報強化が求められた。
議論は、具体的な制度の運用方法やその周知に関わる課題へと進み、市民の健康や福祉に直結する重要な施策が多くの議員から提案される場面が見られた。市の今後の対応に市民からの期待が寄せられる。