令和２年２月２１日、大網白里市議会第１回定例会が開催された。議会では、各種議案の審議を行い、新年度の予算について主要な方針が示された。
市長の金坂昌典氏は、令和２年度の予算編成において、依然として厳しい財政状況に鑑み、財政運営の厳格化を強調した。各会計において新規事業の抑制を行いつつ、重要な防災対策には重点的に予算を配分した。特に、令和２年度一般会計の予算規模は前年より減少し、146億300万円となる見通しである。
歳入面では、市税や地方消費税交付金が増加を見込まれている一方で、高齢化や人口減少に伴う一般財源の不足が懸念材料として挙げられた。金坂市長は、「歳入が現状のままで推移すると、将来的に赤字決算を招く恐れがある」と述べ、緊急的な財政対策が必要であると強調した。これに対して、議員からは「持続可能な市政のための財政健全化が急務だ」との意見が出された。
また、会議では令和元年度各種補正予算についても審議され、議案が可決された。特に目を引いたのは、令和元年度の一般会計補正予算で、６億3,471万3,000円の追加が提案されるとともに、医療や農業、公共下水道事業の支出が主な焦点となった。
さらに、市長は新型コロナウイルスの影響についても言及し、市民への情報提供を強化する方針を示した。市が行っているホームページによる情報発信や関係機関との連携を通じて、感染防止対策を徹底する必要があるとした。
今回の会議で決定した内容は、地域への影響が大きく、今後の市政運営における重要な指針となる。議会は今後も各委員会での議論を通じて、必要な施策を実行する方針である。議長の田辺正弘氏は、「市民の皆様に安心していただけるよう、一層の努力を重ねていく」と強調し、会議を締めくくった。