能代市議会は、令和5年3月の定例会で複数の重要な議題を取り上げた。
初めに、令和5年度当初予算編成について、市長の齊藤滋宣氏は新型コロナウイルス対策や人口減少に直面しつつ、地域の活性化を目指した予算を策定する考えを示した。特に、予算は317億5800万円と過去最大規模となることが強調された。また、歳出については、能代工業団地の拡張や市営住宅の建替など重要な投資が含まれている。
次に、公共交通網の今後の方向性に関して、議員は高齢者や子供を含む交通弱者への配慮が必要であると指摘した。市長は予約制の乗り合いタクシー導入やAIを活用した交通システムについて言及し、地域の実情に即した交通網の整備を進めていきたい意向を表明した。
また、旧常盤小中学校の利用については、地域交流スペースとしての活用が進められている。特に、東急不動産が手掛けるシェアオフィス事業が進行し、地域活性化に寄与することが期待されている。地域住民と密接に連携しながら、今後の利用方法を模索する意義が強調された。
加えて、補聴器や難聴対策についても議論された。議員からは補聴器購入の経済的負担軽減策が求められ、医療的支援が必要であるとの声が上がった。市長は、難聴に対する理解を深めることの重要性を認めつつも、現行の制度では真に助けられない層がいるという現実を踏まえた対応を検討する必要性を指摘した。
また、子育て支援の方向性についても意見が交わされた。特に、社員家庭支援を実現するために、実質的な経済的支援の拡充が求められていることが確認され、具体的な施策の再検討が期待された。さらに、空き家対策については地域住民と連携を進め、実効性のある対策を模索する動きが強調された。
さらに、エネルギーのまちとして、太陽光発電の導入が必要との意見があり、市は今後もその費用対効果を検討しつつ推進していく意向を示した。最後に、能代市はコミュニティーFMの開設を支援する考えが示され、多方面での地域活性化に寄与することが期待された。
今回の議会では、多岐にわたる問題に対して議員と市長が積極的に意見交換を行い、地域の未来を見据えた重要な決断を下す機会となった。市民の期待に応えるため、各施策の具体化と実施が求められる。