令和5年6月13日に開催された能代市議会定例会では、重要な議題がいくつか議論された。特に保育料の無償化やアニメツーリズム、そして水道スマートメーターなどが市民の関心を引くテーマになる。
特に、保育料無償化に関しては、今野孝嶺議員が取り上げた。議員は、政府のこども未来戦略に基づき、0歳から2歳までの全ての子供の保育料を無償化するべきだと主張した。市長の齊藤滋宣氏は、無償化の対象外となっている188人の保育料を年額4800万円となると説明した。しかし、現状では予算上の制約があり、無償化を実現するにはさらなる資金確保が必要との見解を示した。
アニメツーリズムに関連して、今野議員は、人気アニメ『スラムダンク』に着目し、地域経済活性化のチャンスであると指摘した。観光資源としての価値を最大限に引き出すためには、市が湘南地域でのプロモーションを行うことが重要であると強調。市長は現時点では湘南地域での活動は考えていないとしつつも、引き続き観光資源の活用を検討していく意向を示した。
また、帯状疱疹予防接種についての再質問が行われ、高齢者を対象にした助成の年齢引き下げが求められた。市長は、国の動向を注視しつつ、助成の拡充を検討する考えを明らかにした。
水道スマートメーターの導入についても議論が行われた。市長は、検針業務の効率化を期待しつつも、導入には多額の費用がかかることを指摘。既存の通信技術を活用することでコスト削減を図る必要性を感じていると述べた。
さらに、津波災害警戒区域の新たなハザードマップの作成が急務であるとの認識を示し、地域防災への具体的な施策が必要とされている。特に自主防災組織との連携を強化し、出前講座などを通じて市民の防災意識を高める必要性が語られた。
今後のがん政策については、国の受診率目標となる60%の達成が求められている。このため、関係機関との連携を強化し、がん検診の重要性を市民に浸透させていくことが必要である。教育長は、相談支援センターの利用度向上に努める考えを示した。
公文書管理に関しても重要な指摘があり、市民の知的資源を守るためにより厳密な管理体制が求められている。須らく過去の資料や記録保存が適切に行われる必要がある。
最後に、学校における子供たちの安全確保についても議論があり、教育機関としての責任が問われた。教育長は現場のチェック体制の強化を約束し、市民と学校が共に子供たちを守るべきであるという意識を養っていく方針を示した。