令和5年12月の能代市議会定例会が、12月20日に開催された.
本会議では、議案第75号から第98号の多岐にわたる提案が審議された.
議員からは職員給与の引き上げについて懸念の声が上がった. 特に、議案第76号「能代市特別職の職員の給与に関する条例の一部改正」を巡り、「市民の厳しい経済状況を考慮し、引き上げは慎重に検討されるべき」との意見があった. 「物価の高騰が地域住民に深刻な影響を与えており、特別職における手当の引き上げは必要ない」と指摘したのは、議員の菊地時子氏である. 彼女は、物価上昇に伴い市民生活が厳しくなっている現状を強調し、その中での議員や職員の手当引き上げに対する市民の理解は得られないと発言した.
また、議案第79号「能代市会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例等の一部改正」でも、手当の変更が議論され、「人材確保が難しくなっている社会情勢を反映し、適切な対応が必要」との答弁があった. これは、例年に比べ多くの質疑が行われ、いわゆる「待遇改善」に対する関心の高さを示している. その中で、今後の対応については各委員から様々な提案がなされた.
一方で、議案第86号「能代市下水道事業に地方公営企業法を適用する条例の一部改正」が可決されたことは、大きな改革に向けた一歩と評価されている. この改正では、会計方式が移行し、下水道事業と浄化槽事業の適切な把握が可能となる. 審査の過程で、「この適用による料金への影響は慎重に検討される」旨の答弁があり、誠実な市民説明が求められる.
また、医療や教育に関連する陳情も多く議題に挙がった. それらの中には、「安全・安心の医療・介護実現のための意見書提出」や「子供の医療費助成を中学卒業まで引き上げる意見書」があり、賛成ならびに反対の意見が交わされた. これらの問題は地域の未来に直結するため、真剣に考慮されなければならない.
定例会での報告を受けて、今後も議会は市民の声を重視し、実情に即した政策判断を行うことが期待されている. なお、閉会時には、令和5年度の一般会計補正予算が可決され、緊急性を要する支出に対して対応する姿勢が強調された. 議会の意見が市政に反映されることを願うばかりである.
次回の議会においては、議員からのさらなる議題や意見が寄せられることが予想され、市の運営全般に影響を与える重要な局面となるだろう.