令和4年12月の能代市議会定例会では、新年度に向けた重要な議題が議論されました。特に、令和5年度当初予算編成についての質問が目立ちました。
18番の針金勝彦議員は、令和5年度の予算編成について、コロナ禍の影響を受けた財政状況を踏まえ、慎重な見通しを求めました。これに対して市長の齊藤滋宣氏は、「固定資産税が約10億円増加したことや、普通交付税の追加交付があったことから、実質単年度収支が662万円の黒字となっている。他方で、財政調整基金残高が減少していることが懸念される。」と述べました。
また、針金議員は、地元製材業者への支援についても言及しました。新たに中国木材株式会社の進出が進んでおり、雇用の創出や地域経済への影響が期待されていますが、その一方で、地元企業への影響が懸念されるとのことでした。市長は、地元企業の声を聞きながら、必要な支援策を検討していくとの方針を示しました。
洋上風力発電事業についても重要な議題として挙げられました。針金議員は現在進行中の秋田洋上風力発電株式会社によるプロジェクトの地域経済への影響について質問し、市長は「経済効果が270億円、雇用創出効果は2,645人と試算されている」と述べ、地域振興施策の推進を約束しました。これにより、能代港の活用が進むことが期待されています。
市内の教育分野では、ICT活用についても言及がありました。安岡明雄議員は「オンライン学習は不登校児童やコロナ対策に有効で、タブレット端末の家庭持ち帰りも進んでいる。」と説明しました。教育長の高橋誠也氏は、引き続きデジタル教材やオンライン授業の推進に尽力する考えを示しました。
今回の定例会では、能代市の厳しい財政状況の中で、地域経済や教育、環境産業の振興が求められることが改めて確認されました。市長は、地域全体が元気になるよう、目指す施策の具現化を進めていくとも述べ、関係者の協力が不可欠であると強調しました。