令和4年6月の能代市議会定例会において、特定空家の現状に関する議論が行われた。市内の特定空家件数は54件であり、このうち所有者不明の物件は8件存在することが報告された。
特定空家はもはやただの空き家でなく、地域の安全を脅かす存在となるとも指摘されている。市の方針として、この種の空家を所有する事業者や個人に対し、解体補助金を支給するなどの支援施策が講じられるが、その回収率については非常に厳しい現状にある。特に、応急措置を実施した際の費用徴収に関しては、しばしば困難が伴っている。
また、特定空家に対する行政代執行が行われる際、費用回収がスムーズに進まない事情もある。具体的には、代執行に費やした費用の回収ができていない2件の事例も示され、相続問題や経済的理由から費用徴収が難航しているとされている。
次に、特定空家に関する行政手法として、利用価値を失った空き家への代執行を明文化することや、所有者不明の物件について迅速に対処するための新たな条例の制定が求められている。これに伴い、特定空家条例の強化や一層の規制を設ける必要があるといえる。
さらに、客観的視点からは、市が所有者不明物件などに求められる応急措置や行政代執行に対する周知徹底がなされていない可能性もある。従って、地域の人々が安心して生活できる環境を整えるためにも、特定空家に関する包括的な対策が必要となる。市は引き続き協議を進め、必要な支援や施策を積極的に展開する予定だ。