令和5年9月、韮崎市議会定例会では、さまざまな市政に関する重要な議題が取り上げられた。
最も注目されたのは、令和4年度の決算についての質疑であり、守屋久議員(新生クラブ)が、歳入決算額171億8,094万5,000円、歳出決算額165億4,016万9,000円を示し、実質収支が5億740万9,000円に達していることを指摘した。市長内藤久夫氏は、財政調整基金への積極的な積立てや市債の繰上償還により、持続可能な健全財政に取り組んでいると説明した。
さらに、消防団の活動費についても質疑が行われ、団員減少が懸念されている中、団員の活動を支援する総合的な方策が求められた。守屋議員は、消防活動のために必要な物品の精査を要望し、消防団の現状とその活動を維持する重要性を強調した。市長は積極的な予算措置を行う意向を示した。
加えて、浸水想定区域の対策についても、守屋議員が言及。市長はハザードマップや想定浸水深の標識の設置について説明し、避難確保計画が必要な施設で全て作成済みであると報告。具体的な対策を進め、地域住民の安全を保障する方針を示した。
また、道路維持に関する問題も取り上げられ、道路の適正管理や所有者への指導が求められた。市長は定期的に状況を把握し、必要な指導を行うことを表明した。
一方、自転車の安全な利用に関しては、ヘルメットの着用が義務化されたことも踏まえ、購入費助成制度の検討が求められたが、市は予定していないと回答した。利用者の増加が期待される中で、市民向けの安全教室の実施も議論され、交通安全の啓発が進められることとなった。
また、高齢者の移動手段の確保については、タクシー助成券の活用が進められているが、さらに利用促進策が検討される必要があるとの意見が寄せられた。特に、高齢者が運転免許を返納した後の支援策に関しては、引き続き注視していく必要があると考えられる。
最後に、鳥獣被害対策については、被害状況の分析と防止策の強化が求められ、現場の担い手の確保が大きな課題とされていることも強調された。市は、猟友会との連携を深める取り組みを進めるとともに、捕獲業務の効率化を図る必要性があるとされている。
以上のように、今回の定例会では地域の安全や財政運営に関する多くの課題について活発な意見交換が行われ、今後の施策に向けた基本方針が確認された。市民にとって安心して生活できる環境の整備に向けて、引き続き尽力していく必要があることが再認識された。