令和4年度の韮崎市議会定例会において、児童虐待問題が議論された。市長の内藤久夫氏は、昨年度の相談対応件数が42件であり、主な通報者は近隣住民であると述べた。また、虐待者は両親で、心理的虐待の内容が報告されており、被虐待児童の年齢は7歳から12歳であったことが強調された。
市は、虐待の可能性のある家庭を地域から孤立させないことを重視しており、子育て世代包括支援センターや要保護児童対策地域協議会を通じて、早期発見と支援に努めている。特に、保育所や学校、病院などの連携が重要視されており、地域全体での取り組みが求められている。
児童福祉法の改正によって、親権者は児童に対して体罰を加えることが改めて禁止され、これは重要な一歩として捉えられている。市はこの規定が広く周知されるよう努めており、さらには保護者向けの教育や研修も計画されている。
今後の取組としては、虐待発生防止と早期発見が引き続き課題であることが指摘されており、福祉総合相談担当を通じて、家庭児童相談員や社会福祉士が協力して支援の充実を図る方針が示された。具体的には、妊婦や子育て家庭への個別面談や相談を通じ、必要な支援が行き届くよう、関係機関との連携を密にしている。
さらに、妊娠・出産に対する支援策が提案され、プレコンセプションケアの推進が特に重要視されている。これは妊娠前の健康管理を通じて、リスク因子を減少させることを目的としており、若い世代への広報活動が計画されている。また、市の施策の一環として「こども子育て課」が創設され、切れ目ない支援を提供することが期待されている。
最後に、サニタリーボックスの設置についても議論がなされた。男性用トイレへのサニタリーボックス設置が進められており、今後の設置状況についても前向きに検討される方向性が示された。これにより、地域内の様々なニーズに応える取り組みが続けられることが望まれているという。