令和2年3月、下松市議会において、市周辺地域の活性化についての議論が交わされた。市民の人口が微増している一方で、過疎化が進む地域の現状を受け、市長は「地域住民の声に耳を傾けることの重要性を再認識した」と述べ、地域の実情に応じた活性化策の重要性を強調した。
市民が自らの事柄として関心を持つことが、地域への愛着を生むとし、そのための手法として市長は、地域への職員の直接的な出向きを推奨した。具体的には、井戸端会議の実施を通じて、地域の課題解決を目指す考えを示した。また、地域には様々な役割を持つ団体が存在し、これらと協力しあうことで、問題解決の糸口が見えてくるとも述べた。
さらに、下松市では水田活用の直接支払交付金制度が今後重要な施策となるが、地域農業再生協議会や市としてはどのような方針で臨むのかについても問われた。市長は、協議会を通じて地域の特色ある産品の産地化を進める施策が必要であるとし、そのための意見集約を図っていく意向を示した。
また、放課後児童クラブの運営が民間企業に委託される件についても、市民に不安が広がっていることから、保護者に対する説明会の開催と安全対策についての方針も問われ、担当部長は信頼関係を崩さないように運営を進めると述べた。特に、地域の支援員が従来通りの役割を果たしながら子供たちの安全を確保する方針が強調された。
議論の中で、生活環境や人口問題、教育の質の向上など、地域活性化には様々な要素が絡むことが話し合われ、地域住民の意見を尊重する姿勢がみられた。市としては、地域共生社会の形成を進める中で、地域ニーズを的確に把握し、コミュニティの活性化に向けた取り組みを強化する方針が確認された。