令和元年第4回下松市議会臨時会が8月5日に開催された。
日程の中で特に注目されたのは、下松スポーツ公園体育館の空調設備設置工事に関する議案第44号だ。市長の國井益雄氏は、2億1450万円で国益建設株式会社と契約を結ぶことを提案し、この契約は条件付き一般競争入札を経て落札されたものであると説明した。
市長は、去る7月25日に行われた入札では同社が唯一の入札者であり、予定価格に対する入札金額は事前に公表された価格と同額であったことを強調した。議員からは入札参加者が一社だったことに関する懸念が示され、「入札が一社でも成立している根拠はどこにあるか」との質問もあった。これに対し、企画財政部長の玉井哲郎氏は、条件付き一般競争入札の規定上、参加者が一社になっても契約が可能であると述べた。
一方、反対意見も相次いだ。特に渡辺敏之議員は、財政危機の中での空調設備設置は「水漏れの穴をさらに広げるもの」と指摘した。彼は、市財政の現状を考慮すれば空調の設置は果たして必要かとの問いを投げかけ、他の優先すべき施策もあるのではないかと疑問を示した。また、入札の透明性についても問題を提起し、条件付き一般競争入札のあり方に疑問を呈した。
多くの市民が熱中症の危険にさらされる中で、空調の設置は重要という意見もある。堀本浩司議員は、避難所としても機能する体育館に空調を設置することで市民の命を守るべきだと強調した。また、動議が提出されるほど議論が白熱し、市長の政治判断を尊重する声もあった。
最終的に、議案第44号は賛成多数で可決され、契約の締結が決定された。市議会は市民の安心・安全を最優先に考え、今後もさまざまな施策を進めていく必要があると総括できるだろう。