令和5年12月13日、下松市議会の定例会が開催され、各議員が様々な議題について質問を行った。特に注目されたのが「下松市『食』の自立支援事業廃止について」であった。福祉施策として重要な役割を果たしてきたこの事業は、地域における食を提供する宅配サービスであるが、最近、事業の見直しが進んでいる。
健康福祉部長の瀬来輝夫氏は、事業廃止の背景に民間事業者の供給増加があると説明。高齢者の宅食ニーズが高まる一方で、サポート体制を見直すべき時期に来ているとの認識を示した。しかし、多くの議員から、廃止後の支援策や代替手段について懸念の声が上がる。特に、調理が困難な高齢者や障害者のニーズに応える事業が失われることを指摘し、引き続きサポートを求める意見が多数寄せられた。
また、中学校部活動の地域移行についても詳細に議論された。教育長の玉川良雄氏は、部活動が地域に移行される理由として、教員の働き方改革や減少する生徒数、そして教員の負担を軽減する狙いがあると述べた。地域での受け皿となる体制がまだ明確ではないことに対して多数の議員が疑問を呈し、責任の所在や運営主体についての説明が不十分であると指摘した。市長の國井益雄氏は、学校と地域団体の連携を強化し、部活動が地域に根付くような環境作りを進めていく意向を表明した。
加えて、ICTを活用した教育施策も取り上げられた。タブレット端末の導入が進む中、子供たちへの影響や学力への効果についても疑問が呈され、事前に調査を行った結果に基づき、今後の施策を慎重に進める必要性が強調された。特に、依存症のリスクを避けるため、電子機器の使用についてのガイドラインを整備し、健康面でも注意が必要であると教育長は述べた。教育の目的は子供が自立して生活できる力を育むことであるが、タブレットがその妨げにならないよう、今後の対策が求められる。