令和5年9月13日に開催された下松市議会定例会において、地域住民代表の近藤康夫議員が多岐にわたる一般質問を行った。
議長(金藤哲夫君)は開議の挨拶後、日程第1の一般質問を開始した。近藤康夫議員がまず老朽化した農業用水路の維持・管理問題に言及。特に久保支線の根本的な改修の必要性を強調し、地域住民からの具体的な相談内容を伝えた。彼は、「雨がやんで数日後に水が染み出る現状を改善するため、早急な対応を求めたい」と述べた。
次に、近藤議員は市道西条線第2期拡幅改良事業の中断理由を尋ねた。市長の国井益雄氏は、用地の買収が困難であることを明らかにしつつ、地域住民の安全対策を考慮する考えを示した。
また、下松老人福祉会館「玉鶴」の再建について質問があり、高齢者が集う場所である同館の再建に向けた具体的な運営方針が求められた。市長は「運営主体や利用者の声を大切にし、協議を進める」と述べた。
市制施行85周年記念事業について、近藤議員は「下松市史(平成版)の進捗状況」や「映画やPR動画の制作計画」にも言及。この事業は地域の記録を残すことや市の魅力を発信することを目指しているだけに、その準備状況が注目された。
天王森古墳の今後の調査と展開についても議論となり、議員は「大学等と連携し、埋蔵文化財の調査を進める必要性」を訴えた。国井市長は、県等の機関との協力を考慮しながら、調査の実施を検討する意向を表明した。
これらの質問に対し、執行部は正確で具体的な答弁を行ったものの、さらなる地域密着の施策展開や市民参加の重要性も示され、次回の議会での具体策が期待される。