令和4年9月14日に開催された下松市議会定例会では、様々な重要なテーマが議論された。
特に水道事業会計の見通しに関して、中谷司朗議員がその厳しい経営環境を強調した。日本の水道水は飲用可能であるが、これを支える経営は厳しく、人口減少に伴う料金収入の減少が影響を及ぼしている。中谷議員は、「当局に水道事業会計の今後の見通しを尋ねる」と述べ、財政的な危機感を確かめた。
事実、令和3年度の決算結果では、給水収益が減少し、中国電力下松発電所の契約水量分の減少などがあり、さらに厳しい状況が続く見通しだ。市長は、「水道事業の運営には、合理的な料金改定の必要がある」と強調し、料金改定を避けるのは難しいとの見解を示した。水道料金を長期間改定していない現状に対し、財政計画の見直しと適正な料金改定について議論が進められることになりそうだ。
また、いじめ問題にも議会の注目が集まった。斉藤マリ子議員が小中学校でのいじめの現状を問い、いじめが多様であることを提起した。教育長は、小学校では冷やかしやからかいが多く、中学校では悪口やいじめが増える傾向があると説明した。いじめは、人生に影響を与える深刻な問題であり、その解決には教職員と保護者が連携した取り組みが不可欠であるとの認識を示した。
また斉藤議員は、心のワクチン運動を広め、地域社会全体で認知症に対する理解を促進する必要があるとの意見を述べた。心のワクチンの概念は、相手を思いやる行為であり、この運動を通じて市民の心の健康を育てることに寄与したいという思いを表した。市としても、心の教育を推進し、地域全体で支え合う姿勢を強める考えを示した。
このように、定例会では市民の生活に直結する重要な問題が立ち上がり、その解決に向けた意識が共有された。行政運営に対する透明性と関与が求められていることから、今後の取り組みが期待される。