下松市議会は、令和2年9月9日に下松市定例会第7回目の会議を開催した。市民生活に直結する重要な議題が取り上げられ、特に新型コロナウイルス感染症対策についての論議が展開された。
新型コロナウイルスに関する検査体制の不備が指摘されている。公明党の堀本浩司議員は、無症状感染者が多い現状を鑑み、早急な検査体制の拡充を求めた。特に、感染症法が定める検査対象だけでは十分でなく、地方自治体独自の施策が必要であると強調した。市長の國井益雄氏は、県の検査能力の拡充を引用したが、堀本議員の求める全自動PCR検査機導入に対する具体的な取り組みについては言及しなかった。こうした喫緊の課題に対する市の対応が求められている。
避難所に関する議論も開催された。昨今の気象の変化や増加する自然災害に対して、適切な避難所の位置づけが必要とされている。下松市の防災計画では29か所が設定されているが、堀本議員は地形や安全性を考慮した専門的な判断が欠かせないとの意見を出した。この意見に対して市長および執行部は、トラブルを未然に防ぐため、さらなる検討を進める方針を示唆した。
また、笠戸島ハイツ跡地の利用についても論じられた。この跡地活用についてはプロポーザル方式での選考が行われており、選定基準の透明性や市民の利益の保護が重要とされる。渡辺敏之議員は、この審査が法律に基づいて行われていない可能性を指摘し、さらなる明確化が必要であると訴えた。市の担当者は、選考が客観的かつ論理的に行われるよう努めると回答したが、まだ十分な理解が得られていない印象が残る。
これらの議題を通じて見えたのは、市民の安全や健康を守るためには、より積極的な行動が求められ、行政に対する市民の信頼が揺らいでいる現状である。今後、市はこれらの問題に迅速かつ的確に対応していく必要がある。