墨田区議会は令和4年11月29日に定例会議を開催し、様々な議題が議論された。
特に注目されているのは、すみだ北斎美術館の経営問題だ。大瀬康介議員は、来館者数が年間36万3,194人に対し、実際の数が7万3,242人に減少していることを指摘した。過去3年間の平均入館料収入が約5,320万円に落ち込み、運営コストが年間約10億円に達する中、経営の緊急性が増していると述べた。区長の山本亨氏は、赤字が生じている現状を認識しているものの、指定管理料は文化施策の波及効果に寄与していると強調し、引き続き魅力的な企画展へとつなげることで来場者数を回復する方針を示した。
次に、浅草通りの植栽管理問題について、同じく大瀬議員が言及。東京都が管理する植栽スペースの管理状態が悪く、無許可での樹木の切り倒しやごみの放置が指摘された。区長は、都に対し適切な管理を促す姿勢を見せ、植栽が持つ環境面での重要性は強調したが、撤去要請には消極的な姿勢を示した。
また、区内産業支援体制の強化については、経済ウィークアンドエコノミストの報告に基づき、雇用保持を重視した支援策の提出が求められた。山本区長は、産業と観光の将来構想を策定していることを述べ、具体的な支援策の実施を目指す意向を示した。これらの議論を通じて、区民の生活環境や文化的な資産を保全するための施策が必要とされていることがより明確となった。
新たな支援策は、特に子育て支援や雇用対策などで必要とされている。議会では、区民の声を反映させる方針が強調され、今後の支援策に期待が寄せられている。