令和6年6月10日、練馬区議会の定例会が開催された。出席した議員は50名にのぼり、議題には地域の防災や子育て施策、経済振興策が並んだ。区長の前川燿男氏は、開会にあたり区政運営に理解と協力を求める挨拶を行った。
前川区長は、元日の能登半島地震後の支援体制について触れ、「一日も早く平穏な生活に戻れるよう、引き続き支援に取り組む」と強調した。彼は「攻めの防災」を進めるための取り組みを報告し、特に桜台東部地区での防災道路の整備計画を紹介した。
また、住宅の安全性における意識向上も語り、「簡易耐震診断の受付件数が昨年度の2倍を超える」と述べた。区民の防災意識の向上を支えるため、実戰的な訓練や消火用設備の設置も進めている。
子育て施策として、区独自の幼保一元化施設「練馬こども園」が創設されたことや、保育所待機児童ゼロの目標を達成したことに言及。「保護者の負担軽減を図る」とし、エプロンサブスクリプションなど新しいサービスの導入を紹介した。
さらに、「LINEを利用した保活支援サービスや電子母子手帳アプリも展開している」と資料を基に説明し、区内の保育環境の整備について力を入れていることを伝えた。
福祉・健康施策について触れる際には、高齢者や障害者の支援体制の強化を述べ、特に認知症にかかる検査体制の向上を提案した。順天堂大学と連携した協定の締結が強調され、具体的な取組の進展が期待されている。
今回の議会では、報告第1号として繰越計算書が討議され、75億757万円の経費が令和6年度に繰り越される旨が報告された。また、議案第44号では特別区民税の改正について、専決処分の承認を求める内容も含まれた。
一連の議案に対する質疑も行われ、動議により審議の即時承認が得られ、スムーズに議事が進行された。議会は、地域振興や防災、子育て支援、福祉強化など、練馬区の未来を見据えた施策に取り組む意義深い会議となった。