令和5年度墨田区議会9月定例会が、9月13日に墨田区議会議事堂で開催された。
この会議では、さまざまな議題が取り上げられ、高齢者の介護予防と「ウォーカブルなまち」の実現が特に注目を集めた。
坂井ユカコ議員(墨田区議会自由民主党・無所属)は、高齢者が安心して外出できる環境の整備を求めた。坂井議員は、地域による介護予防事業が進められていることを評価しつつも、「気軽に休める場所が不足しており、高齢者が安心してまちを歩ける環境が必要」と述べた。また、他自治体の成功事例を挙げながら、墨田区におけるベンチや休憩施設の設置を提案し、「高齢者が公共の場でいつでも腰を下ろし、安心して休憩できる環境作りが大切」と強調した。
この質問に対して、山本亨区長は、国が進める「人中心のまちづくり」に賛同し、墨田区としてもウォーカブル政策を進める考えを示した。具体的には、地域の特性やニーズに応じた施策を検討していくとし、「高齢者が気軽に外出でき、地域のコミュニティ形成を図ることが重要」と述べた。
また、村本ひろや議員(日本共産党)は、インボイス制度に関しても質問。特に新制度導入による影響を受ける中小業者への支援体制について言及した。村本議員は、「区内事業者の戸惑いや不安を考慮し、特別な支援が必要」と主張し、物価高騰による影響を最小限に抑えるための施策を求めた。
山本区長は、区としての支援体制の充実を約束し、事業者が制度について理解を深めていく必要性を訴えた。さらに、介護保険の負担軽減に関する質問も交わられ、利用者が安心してサービスを享受できるよう基本理念を再確認する必要があるとされ、市民への丁寧な周知が求められるとの意見が交わされた。
これに対する区長の見解では、「高齢者が安心して利用できる制度設計が求められている」とし、引き続き行政の改革に向けた方針を示した。
新型コロナウイルス感染症対策についても議論が進められ、感染者数の増加傾向について注意を促す発言があった。区長は引き続き、感染予防や医療機関との連携を強調した。
もろもろの議題を通して、地域住民の暮らしの向上と支援策の充実に向けた熱心な議論が展開された。今後の施策に期待が寄せられる。