令和5年2月15日、墨田区議会は定例会議を開催し、複数の重要議題が扱われた。特に、学校給食費の無償化に関する討論が注目を集めた。
日本共産党のとしま剛議員は、学校給食費を値上げした墨田区の対応を批判した。彼は、他の区では無償化が進んでいる背景を紹介し、「物価高で影響を受けている子育て世帯を支援するため、給食費の無償化に向けた対応が急務である」と訴えた。
これに対し、区長の山本亨氏は、「昨年4月の給食費改定は物価動向を受けたものであり、今回の無償化については国の制度や財源の責任が重要」と反論した。額面上は無償化の要望が多く聞かれるが、区としての独自施策の実施意向は否定された。しもむら緑議員も同様の見解を持ちつつ、「教育費の負担を軽減する政策は、区の将来的な成長に寄与する」と強調した。
次に、鐘ケ淵駅周辺の鉄道立体化事業についての進捗が報告された。これに対する質問も上がり、関連する事業が進行中であることが確認された。さらに、向島保健センターの統廃合計画に関する懸念も示された。この施設が地域の重要な健康支援拠点であることから、計画変更に伴う影響を気にする声が多く上がった。
最後に、公衆トイレの改築方針が議論された。この方針では、34か所の公衆トイレを削減し、効率的な配置を目指すとされている。しかし、「利用圏内を250メートルと定めた根拠は何か」という疑問が提起され、「高齢者や子どもに配慮したトイレの数を減らす方針は、使用者にとっての利便性を損なうのではないか」との懸念が示された。
この会議では区民生活に関わる重要な問題が多く掘り下げられ、多くの議員が積極的に意見を交わした。今後の政策決定にも影響を及ぼす重要な一日であった。