令和元年度の墨田区議会定例会は、6月25日に開催され、重要な議題が議論された。
中心となる発言は、墨田区の児童相談行政および児童虐待問題についてであった。議員の坂井ひであき氏は、札幌での児童虐待事件を引き合いに出し、「墨田区には児童相談所が開設されていない。児童相談行政についての区長の認識を伺いたい」と述べた。これに対して、区長の山本亨氏は、「通告を受けてから48時間以内に児童を確認する体制を整えている」と強調した。
また、山本区長は、今年4月に東京都との間で児童相談所との協定を締結したことにも触れ、「情報共有を強化し、虐待の早期発見につなげる努力が重要」と語った。具体的には、都との連携により、乳児院でのショートステイ事業を行いながら、要保護家庭への支援を充実させている。しかし、坂井氏は地域での実情を踏まえ、「児童相談所の設置が急務である」との意見を述べ、不足する支援体制の改善を求めた。
さらに議会では、区内の高齢者の交通事故問題についても議論された。坂井ひであき氏が「高齢者による交通事故が増加している」と指摘し、区内の現状を尋ねたのに対し、区長は、「最近の傾向として高齢者の事故が増えている。これまでの対策に加え、高齢運転者に対する啓発活動を強化する必要がある」と述べた。
また、運動会や学校行事の熱中症対策が議論された。あべきみこ氏は、「運動会に観覧席を設ける際は日陰を考慮すべき」と提言し、夏場の熱中症対策として小、中学校での具体的対策を求めた。教育長加藤裕之氏は、「運動会の実施に際しては、子どもたちの安全を第一に考え、必要な対策を講じている」と応じた。
議会は、さらにボクシング競技の開催についても触れ、東京2020オリンピックの準備状況について、区内の施設整備を進めていることを報告した。ボクシングが両国国技館で開催されることにより、地区の活性化が期待される。今後は、聖火リレーやイベントなど、区の文化や伝統を世界に発信する機会を逃さないよう、支援策を検討すると表明された。
最後に、墨田区の未来に向けた取り組みとして、産業振興や地域の安全対策など、効果的な施策が必要であるとの意見が多く挙げられた。議会では、全ての施策が区民に届くよう、今後の取り組みに期待が高まっている。