令和5年度墨田区議会定例会が、議長福田はるみにより開会された。本会議では、12件の議案が審議された。
特に職員の特殊勤務手当についての議論が注目を集めた。日本共産党墨田区議団のとしま剛議員は、この特殊勤務手当の継続が求められる状況を強調した。今回の手当は防護服を着用した職員に支給され、コロナ感染が再拡大する中、必要不可欠な措置だと訴える。
また、すみだ女性センター条例の改正に関しては、性差別や性暴力の撤廃を目的とする同センターが、区外利用者へのサービス拡大に重点を置くべきではないとの意見が出た。としま議員は、収益性ではなく本来の目的に重点を置いた運営を促進する必要があると述べた。
さらに、墨田区特別区税条例の改正が議題に上った。これに関しては、森林環境税の導入が含まれ、一般市民には均等割として1,000円が課されることが決定された。しかし、議員たちからは、環境税を企業にも適用すべきだとの声が上がり、財政の不公平感を訴える意見が相次いだ。
最後に、隅田公園第2期の再整備工事に関し、多くの樹木が伐採されることになっている問題が取り上げられた。議員は、環境保護への配慮が欠けていると指摘し、再度計画の見直しを求める意見を述べた。特に、1980年代の緑化宣言を受けた背景を忘れずに、再整備計画が進むべきだと強調した。
区長山本亨氏は、この議会で全ての議案において議員からの多くの議論を受け止め、速やかに補正予算を執行していく考えを示した。また、地域の活性化に関し、隅田川花火大会の復活がポストコロナにおける貴重な機会であるとして、地域力の再生に努める意向を表明した。