令和3年第2回新宿区議会定例会が開催され、主要な議題として新型コロナウイルスワクチン接種、避難所の運営、区域内のまちづくりなどが議論された。
特に、新型コロナウイルスワクチン接種に関して、三雲崇正議員(立憲民主党・無所属クラブ)は接種予約の状況について言及した。区長の吉住健一氏は、予約開始初日における混乱について謝罪し、改善策として40回線から60回線に増設したコールセンターの運用を説明した。
また、吉住区長によると、高齢者の接種率は35%に達したことが報告され、今後は64歳以下の住民への接種計画を進める予定だ。さらに、ワクチン接種証明書の発行に向けて、既存のシステムを活用する方針も示された。
コロナ禍における避難所の運営については、群を抜いて感染症対策の重要性が強調された。特に、コロナ陽性者の避難先確保が焦点となり、自宅療養中の方の扱いや避難所のゾーニングが必要との説明があった。区では、感染防止を考慮した避難所の管理や開設訓練を進めるとともに、地域住民にはガイドラインの浸透を図る方針である。
地域経済への影響についても重要な議題として挙げられ、コロナ禍の影響を受けた飲食業や宿泊業等への支援が求められている。区長は、特例融資や専門家による支援事業など、地域事業者を支える各種施策を進めていくと述べた。特に、感染症による倒産問題は深刻であり、こまめな情報収集や相談体制の強化が必要であるとも確認された。
また、新宿区内のまちづくりについても言及され、飯田橋駅東口地区再整備や高田馬場駅周辺の市街地再開発が進められ、それぞれの地域における特色を活かしたプランが提案されていることが強調された。特に、地域住民の参画が重視され、各地区での協議や地域会議の開催が奨励されるとのことだ。
最後に、ヤングケアラーに関する取り組みについても焦点が当てられ、学校での早期発見・把握の取り組みや支援の必要性が強調された。この問題に関して、区では学校と福祉部局の連携を強化し、必要な情報の提供と相談体制の充実に取り組む姿勢が示された。
区民に向けて行う行政サービス情報の発信も強化され、特に高齢者やヤングケアラーに対する取り組みが今後の重要課題として据えられている。区長は、今後も地域に密着した施策を進めていくと述べた。