令和3年11月25日、渋谷区議会の定例会が開催された。
本会議では、新型コロナウイルスワクチンの追加接種に関する議題が中心となった。栗谷順彦議員(区議会公明党)は、ワクチン接種の状況などを質問し、「本年の接種開始以降、21万人を超える対象者のうち、16万人以上が接種済みです。接種率は高いものの、引き続き注意が必要です」と述べた。また、追加接種の予約状況についても言及し、接種が進むことを期待する声があがった。
一方、重層的支援体制整備事業についても話題に上がった。杉浦小枝副区長は、「生活に困窮する方々に寄り添った支援をするために、地域共生社会の構築を目指しています。これには地域の多様なニーズに応える体制を整えることが必要です」と強調した。
さらに、防災・防犯対策についての意見も交わされ、「区民が安全に暮らせる環境のために、地域の防災訓練の重要性を再認識する必要があります」との指摘があった。これに対して、長谷部健区長は、「自助・共助・公助の観点から、災害対応力を高めるために地域との連携を強めていきます」と回答した。
教育に関する議論も行われ、教育長の五十嵐俊子氏は、「デジタル教科書の効果については好評である一方、教員の活用が進まないという課題もあります。積極的な支援を進める必要があります」と述べ、今後の改善策を検討していく意向を示した。
栗谷議員は、教育現場における課題に加え、子育て支援の強化も求めた。特に、ハッピーマザー出産助成金の増額の必要性や助成制度の充実についても意見が出された。長谷部区長は、国の方針を見ながら、こまめに検討していく方針を示した。
最後に、渋谷区図書館の廃止についても議論がなされ、「多くの区民に愛されてきた図書館がなくなるのは非常に残念です」といった意見が寄せられた。区長は、「老朽化が進んでいるため、今後の対応について地域の意見も取り入れながら進めていく考えです」と回答した。
全体を通して、区民へのサービス向上のために、課題解決への取り組みが求められていることが強調された今定例会であった。