令和2年3月23日、渋谷区議会は第1回定例会を開催し、重要な議案および請願が審議された。この中で、特に注目されたのは予算関連の議案で、令和2年度の一般会計予算が可決されたことである。
一般会計の歳入歳出総額は1,052億4,900万円で、前年度比で128億5,400万円の増加を見込んでいる。
この予算案に対する意見は二分され、賛成派は「喫緊の課題に対応しつつ未来への投資を行うことが重要」と指摘した。一方、反対派は「区民の税負担が増え、福祉を削減する事情を無視している」と訴えた。
特に注目を集めたのは、保育士の待遇改善および待機児童解消に関する請願だった。支持者は、「質の高い保育環境を保障せよ」と訴え、反対者は「現状でも十分な施策がある」と意見が分かれた。その結果、この請願は不採択となったが、地域の教育と福祉の拡充は依然として議論の焦点に残った。
また、難聴高齢者への補聴器購入への公的支援強化を求める請願も取り上げられた。賛成派は「高齢者の生活の質の向上には重要だ」と意義を唱えたのに対し、委員会の報告はこの請願も不採択としてしまった。これによって、高齢者の生活環境向上のための施策は、限られた財源のもとで見送りが続くことが懸念される。
最終的に、経済や福祉、教育に関する一連の施策が議論を呼び、区民の声をどのように取り入れていくかが、今後の議会運営における課題と位置付けられる。