令和3年2月25日、渋谷区議会において新型コロナウイルス感染症対策を中心とした定例会が開催された。
特に注目されたのはワクチン接種に関する議論である。区長の長谷部健氏は、接種券の発行、接種会場の整備など、準備作業が着実に進められていると説明した。また、65歳以上の高齢者に対し、3月下旬から接種券を郵送し、接種の流れを明確に示す考えであると強調した。
また、パルスオキシメーターの活用についても言及された。区では70歳以上や基礎疾患がある自宅療養者に対し、東京都から支給された100台のパルスオキシメーターの貸出を行う。“健康観察の連絡を通じて酸素飽和度を確認していく”と区長は述べた。
介護施設における感染症対策にも力が入っており、PCR検査支援事業が昨年の第4回定例会で可決された。そのため、今後も感染予防対策を徹底し、中でもクラスター発生リスクの高い医療機関に対する支援が不可欠であるとの見解が示された。
さらに、教育については新たな子育て支援策の整備が進められている。区長の長谷部氏は、渋谷区子育てネウボラの体制整備が着実に進行しており、8月には地域に密着した支援が全面的に行われることを示した。
ところで、地域共生社会の実現に向けた取り組みも議題に上がった。特に、生活困窮者、介護、子育て支援の課題に横串を入れたサービス提供が求められている。区民が自分らしく生きられる街を目指すための方針が語られた。
また、この日は防災や防犯についての報告もあり、災害時情報配信サービスの改善策が提案された。高齢者が利用するための電話による情報配信が行われるが、登録を事前に行う必要があるため、周知活動が重要だとされた。
渋谷区ではこのように、区民の健康や安全を守るための取り組みが次々と進んでおり、長期的な施策が着々と実施されている。特に、新型コロナウイルスの影響を受けた地域課題に対するアプローチが求められ、多方面からの支援体制が重要視される中での議論であった。